リネンのハンカチを求めて下北沢に出かけた。
下北沢駅の南西口に出て、あたりをみまわすと。
自然に惹かれる人には「あら!」と、目を引く通りがみえる。
まっすぐにつづく、木々や植物が両側に彩る植栽のこみち。
都心に近い駅の街にふさわしい、人の手で手入れがされていながら、自然体をモチーフにしたことがわかるみち。
こういった道を、毎日の中で行き来する人はどんなに豊かなことでしょうね。
あわただしい速足の朝。
プレッシャーがある朝。疲れて足取りが重い帰り道。考え事をしながら歩く夜。こころが軽い、うれしい気持ちで歩く朝や帰り道。歌を口ずさんでしまうことだってある。道は、そんな毎日違った感情と一体化しているわたしたちのからだを毎日支えている。
この街のセンスにちいさな誇りをもたずにいられないだろうな、と思った。駅から続くみどりの道があるだけで、ここに住みたくなってしまう何かがあった。
駅からすぐに野原だってあるし、シモキタ園藝部さんがこの通り沿いにある。

雨の中、アーモンドの花が咲いていた。

あらあら、と思ってスマホを向けていると、「わあ、大きいわね、桜よりずっと大きいね」と、母親年代の女性グループもやってきた。
「アーモンドよね」「この前、アーモンドなっていたわよ」って話していて、分かるんだ・・・と思っていたら、ちゃんと説明があった。

アーモンドも、桜もときめく。
そして、春先から春。もっともはらりとときめくのが、草花なのだ。
カラスノエンドウ、ナズナ、スミレ、ホトケノザ・・・
もっとも気持ちが動いてしまう、都市の片隅だけではなく、時に(わたしにとって)主役級のちいさな草花たち。

ここでは、クローバーもやわらかな新緑のフェンネルももう、春雨の空気に乗って初夏のにおいが漂ってきそうだった。

いまは外を歩くたびに、春に出会える。
春をつたえてくれるのが、草花だったり、草木だったり、日差しの心地よさだったり、からだで感じるカゼのぬくさだったりする。
